そういえば

昨日は昨日のままで終わらず、どろりと溶けて今日に落ちたが、そんなことを引きずってずうっと落ち込んでるわけにもいかないのでやや久しぶりに大学へ来た。

 

八畳一間に膜を張って過ごすより、幾分か息を吸いやすいのが大学だった。来てしまえばどうということはない。でも、吸うばかりの空気は、それも息苦しい。そうも感じる。

 

とにかくいまのわたしにとっては家を出ることが最難関といっても良い。もしくはお風呂に入ることがいちばん苦手かも知れない。次にちゃんとした食事をとること。人並みの生活。いまのわたしに、圧倒的に足りないもの。自覚しているもの。

 

やや乱暴的に終わりを迎えた秋は、その身代わりに冬を連れて来た。絶望的に冬だった、今日の風。木枯らし。中途半端に冬を引っ張り出してきたこの前の雪の日とは大きく違って、今日はちゃんと冬になる準備をしているみたいな天気だった。イチョウの葉がはらはらと落ち、朝から落ち葉掃除に勤しむオジサンがいて、お早うございますと心の中で労って、風に髪をとられながらブーツを履いたこの足で、ずんずん、ずんずんと歩いていく。歩いていく、季節が来た。

 

誰かのぬくもりを求めることで心の隙間からのぞく暗闇を遠ざけようとした少し前のわたしとは違って、自分の腕で自分を抱きしめたい、いや、そうしなきゃいけない季節が、今年も、わたしの元に。

 

12月のはじまり。